2009年11月24日火曜日

日常Ⅵ

深夜放送のラジオが、俺とは無意味に流れている。
いや、俺とは無意味に流れていた。
ひとつひとつを考えていくたびに、俺はそのDJがしゃべる言葉にうなづくようになっていった。
やがて運転手は、俺に相づちを求めるようになる。
そのたびに俺は、通り過ぎていく街の風景を確かめるように、
もう人影もまばらな、そんな街の中で、奇妙な人々に出会うような、そんな気がしていた。
トンネルに入った。

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