自動ドアが開く瞬間。店員が俺を見る視線。何もかもが、いっぺんに、俺にのしかかって来るように。
風はそれとは全く別の性質をもっていて、俺がそこにたどり着くまでの、希望や夢、そんな言葉に置き換えられるものだったんだ。
その風は、歩道の脇に植えてある緑を揺らし、揺れた緑の横を、大型のトラックやタクシーが通り過ぎていく。
いつも俺は、とてもきれいだった彼女の瞳を思い浮かべる。
そんなぼくを取り巻くひとつひとつの状況がいったい、どんな風につながっていくのか、俺にはうまく説明せきないんだけど、ただ、俺が立ち読みした、ほんのひとつひとつ、その行間のひとつひとつ、そしてぼくが選んだ、ハムやチーズやビールが、最後にレジを討つ音や、それらがなんだか俺にはとても、心地よい音楽になりそうな気がしているんだ。
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