2009年11月25日水曜日

日常Ⅶ

そして、トンネルを通り過ぎると、俺はまた、別の世界に来ていた。
いつもは賑やかな町並みも、もうすっかり息を潜めていた。
俺の大好物のハンバーガー屋も、もう店を閉めていた。 
踏みつぶされた空き缶が、その店の前のゴミ箱に山ほど捨てられていた。 
俺は、右にまがり、坂道を上った、突き当たりにくると俺は、いつもの何かを見つけた気になった。
それは、空でもなく、町並みでもなく、空間そのものだった。。。

2009年11月24日火曜日

日常Ⅵ

深夜放送のラジオが、俺とは無意味に流れている。
いや、俺とは無意味に流れていた。
ひとつひとつを考えていくたびに、俺はそのDJがしゃべる言葉にうなづくようになっていった。
やがて運転手は、俺に相づちを求めるようになる。
そのたびに俺は、通り過ぎていく街の風景を確かめるように、
もう人影もまばらな、そんな街の中で、奇妙な人々に出会うような、そんな気がしていた。
トンネルに入った。

2009年11月21日土曜日

日常Ⅴ

赤提灯で飲んでいるサラリーマン達、いや、赤提灯で飲んでいる仕事帰りの人々。
俺は、その人達の、後ろ姿や、そのお酒の飲み方に、赤信号を待ってみる気になったんだ。
俺は、次の目的地にいかなければならなかった。ちょうど反対側の車線に、俺を乗せようとする、いや俺が乗ろうとするタクシーが遠くの方から走ってくるのが見えた。
だから俺は、今までの感情を振り切って、向こう側へ走り出したんだ。
大型のトラックは、もうそこまできていた。でもまだぶつかる距離じゃない。
だから俺は走り出した。
その瞬間に、俺の目に移ったのは、24時間明かりがつけっぱなしになっている、自動販売機のその輝きだった。
俺は、ポケットの小銭を「確かめながら、その小銭と、自動販売機の中に入っている、100円とジュースとの関係を考えながら、俺は走り出したんだ。
だから、こうすればいい、だから、こうした方がもっと楽になる。
横断歩道を渡るとき、まだ信号は赤だった。
俺は、一生懸命その気持ちひとつひとつをすり抜けながら、それでもまだ、ポケットの小銭をじゃらじゃらさせながら、ようやく、向こう岸にたどりついたんだ。
そしてぼくは、タクシーに乗り込んだ。

2009年11月20日金曜日

日常Ⅳ

どんな風に伝えたらいいのか、まだよく分からない。
なにしろ、コンビニエンスストアーに並んでいるたくさんの食物のように、どれから選んでいいのか、ちっとも検討がつかないんだ。

2009年11月19日木曜日

日常Ⅲ

そう、美しいものひとつひとつ、それが、あらゆる所に散らばっているような気がする。
散らばっているものをひとつひとつあつめて、俺は一つの形にしようとした。
風や、雨や、星や、雲や、月や、でも、それをいったい誰に伝えたらいいか、一つは、
一つはっていうより、大切なひとへ、ただそれだけのようなきがしている。

2009年11月18日水曜日

日常Ⅱ

自動ドアが開く瞬間。店員が俺を見る視線。何もかもが、いっぺんに、俺にのしかかって来るように。
風はそれとは全く別の性質をもっていて、俺がそこにたどり着くまでの、希望や夢、そんな言葉に置き換えられるものだったんだ。
その風は、歩道の脇に植えてある緑を揺らし、揺れた緑の横を、大型のトラックやタクシーが通り過ぎていく。
いつも俺は、とてもきれいだった彼女の瞳を思い浮かべる。
そんなぼくを取り巻くひとつひとつの状況がいったい、どんな風につながっていくのか、俺にはうまく説明せきないんだけど、ただ、俺が立ち読みした、ほんのひとつひとつ、その行間のひとつひとつ、そしてぼくが選んだ、ハムやチーズやビールが、最後にレジを討つ音や、それらがなんだか俺にはとても、心地よい音楽になりそうな気がしているんだ。

2009年11月16日月曜日

日常

俺が買い物に行くときに、ずいぶん昔に感じた風をもう一度、身体に受けたことがあった。
それがいったいどこからくるのか。何を意味するのか。それはぼくには、うまくは説明できなかったんだけど、それを誰かに伝えたいと思った。
俺は、深夜営業のコンビニエンスストアーでその日の夜の夜食を買い、15分ばかり、色んな雑誌を立ち読みして、端々の色んな情報を、そのコンビニエンスストアーの色んな食物にあてはめて見たんだ。

2009年11月1日日曜日

叫び

何かを大切にしようと思って、造りあげようとしている。
愛という言葉を借りるなら、
愛、それを誰もが祝福しあっていけるような、
そして、その祝福されている愛は、すべてを、すべてを幸せにしてあげられるような。

これは、現実逃避とは違うと思う。

いろんな解釈、いろんな角度で。

そんなことを考えていくと、あきらめや、そんな勇気や、すべてが生まれてくるような、気がする。

だから俺は、その流れの為に、そして、その流れを逆流させてしまおうとする者に対して、叫び続けたいと思っているんだ。